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【特集】日帰りザック大公開!山道具はこれを持て!【調理器具編】
・登るために食べるのか、食べるために登るのか
山ごはんに興味を持って数年、いくつかの山に登りつつ心地良い環境での山ごはんを満喫してきました。まだまだ経験は浅いですが、そんな私でも思い出深い山ごはんがいくつも頭に浮かびます。ビーフシチューや炊き込みごはん、カレーにフリーズドライの簡単山ごはん…などなど、四季折々の山風景とともに想起されるおいしい記憶は、かけがえのないものとなり心の宝箱に加わっていく気がします。今回は、そんなお宝山ごはんを作るための道具、お気に入りの調理器具をご紹介したいと思います。携行する調理器具はレシピによって毎回変わりますが、特によく使う物を厳選しました。ちょっと長いですが、詳細をレビューします。何を買おうか迷っている方のご参考になればと思います。
①クッカー その1:UNIFLAME 山クッカー 角型
トップバッターはクッカーです。このクッカー、キャンプ用の調理器具をメインに制作、販売しているUNIFLAMEというメーカーから発売されています。通称角クッカーこと、山クッカー 角型。山ではその手軽さと保存性からかカップラーメンや袋麺などの乾燥麺を食べている人が多いです。カップ麺ならそのままお湯を注ぐだけなので問題ありませんが、袋麺の場合はクッカーに乾麺を入れてお湯を注ぐことになります。皆さんご存じかと思いますが、袋麺は四角。クッカーが丸いと?そう、乾麺を割って入れなければならないんですよ…!これは、麺は噛み切らない派にとって致命的問題です。せっかくの山ごはん、麺は長いまま気持ちよく啜りたいですよね?この角クッカーなら乾麺を割ることなくそのまま入れることができるんです!ということでTVショッピングみたいになってしまいましたが、袋麺好きには有名な定番アイテムであったりします。ちなみにカップ麺より袋麺の方がクッカーで調理する分自由度が高く、ソーセージやコーンなど色んな具材を入れることができるのでおすすめですよ。山ではぜひ、豪華なオリジナル麺を食べてみてください。
運搬時は折りたたみできるお玉やしゃもじなど、小さくなる物を入れておくと便利です。写真はsnowpeakのヤエン ツグ
とヤエン ペタですね。
<選び方のポイント>
丸か四角かのほかに、素材や重さや大きさや、構成もさまざま。最初は素材はそんなに気にせずOK。納得できるサイズと構成、価格感のものをまずは買ってみて、家で練習してみるといいですよ。実は次に述べるメスティンだけでもいいかも?
②クッカー その2:トランギア メスティン
メスティン、色んなメディアで紹介されていますね。私は主に炊飯に使っていますがこれ一つで焼き、蒸し、燻製、そしてもちろん鍋料理ができる万能クッカーです。ハンドルが付いているのでメスティンからそのままがっついているソロ登山者さんも良く見かけます。いい絵です。見てるだけで腹が減る・・・(笑
実はこちらのメスティンはちょっと特別。本来、メスティンは使用する前にバリ取りとシーズニングという下準備をしないと使えません。バリ取りはその名の通り、フチの鋭利な部分を削りと凝ること、シーズニングは使用前に軽く炒めることによってメスティンの表面に油の被膜を作り焦げ付きにくくする作業のことです。ですがこちらのメスティンはテフロン加工のカスタマイズが施されており、バリ取りもシーズニングも必要ありません。メスティンを購入したあとに加工をすると時間も手間もかかってしまうので、ちょっと高く付きますが最初から加工した物を購入するのがおすすめです。快速旅団他で取り扱っています。
<選び方のポイント>
家で使う鍋類と異なり、アルミで軽くかなり薄い分、慣れないとすぐ焦げついたり凹んだりしてしまうので、テフロンは本当におすめ。テフロン加工で強度が増しているのか、ベコベコにもなりにくいです。テフロン有無は別としても、メスティンと下記のシェラカップだけ買えば、鍋と食器問題はひとまずは事足りると思います。
③シェラカップ:エバニュー チタンシェラカップ
食器にもなり、直火で調理もできるシェラカップ。山頂でコーヒーを飲んでみたり、休憩中に直接お湯を沸かしてフリーズドライをIN!で調理完了!色んな場所で活躍します。さらに取っ手が曲がっている物はザックや木の枝に引っかけることができます。シェラカップがザックに引っかかってるだけで登山感マシマシですよね。ちなみにこのシェラカップはチタンで軽いんですが、素材としてやはり曲がりやすいので扱いにやや注意が必要です。
<選び方のポイント>
持ち手が折りたためる、またはコンパクトなものがおすすめ。丸や四角といった形でなく尖ったりしていると、パズルのように詰めていくザックの中でダントツ邪魔になること間違いなしです。
④バーナー:ソト レギュレーターストーブ ST-310
山での調理に欠かせない火器、バーナーです。日が出ている間はバーナーの火を見ることができませんが、火をつけた時のゴーッ!という音と共に調理が開始します。文明の力。何だかちょっと盛り上がりますよね。このレギュレーターストーブは火力も充分あり、大きめの鍋料理もできます。コンビニで購入可能なCB缶(カセットボンベ缶)を燃料としているので、登山前にガスが少なくなってしまっていた!なんて時もその登山当日の朝に購入可能なのが助かります。ちなみに丸い、鏡餅のような形をしたガス缶はOD缶(アウトドア缶)と言い、アウトドアショップなどに行かないと購入できません。
このレギュレーターストーブは点火スイッチが押しにくい場所に付いています。購入してそのまま使用していると使いにくさを感じることがあると思いますが、販売開始してしばらく立った頃、クレームが入ったのでしょうか。点火アシストレバーというカスタマイズパーツが発売されました。使いにくさも改善されて、今ではメインのバーナーとしてとても役に立っています。
⑤燃料:CB缶
前述のCB缶です。コンビニで購入できるのでとても便利です。ですがOD缶に較べて火力がどうしても弱くなってしまうのと、寒冷地ではさらに火力が弱くなってしまいます。CB缶の弱点を極力感じないようにするためにはSOTOやアウトドアメーカーが販売しているCB缶を購入するのが良いと思います。
<選び方のポイント>
バーナーと燃料は一緒に検討しましょう。なかなか分かりにくい着火や火加減調整の使いやすさは、展示品を試せるお店での購入のほうが、失敗が少なく安心です。
⑥固形燃料ストーブ:エスビット ポケットストーブミリタリー
火器が2つ必要になった時に使用する固形燃料ストーブです。たばこの箱より小さく、持ち運びに便利です。私のザックには何故か2つ入っていますが、とりあえずそれは置いておいて。火力にはどうしても不安がありますね。低山で使用するのはそこまで影響はないので失敗してもあまりダメージを受けない、湯沸かしやちょっとしたスープを作る時に使用するのがいいと思います。このポケットストーブとレギュラーサイズのメスティンで全自動炊飯ができるようです。お試しあれ!
<選び方のポイント>
固形燃料にも色々ありますが、こちらは、コンロになるケースに燃料がぴったりそのまま入る設計です。蓋のように閉めてしまえば、燃料とほぼサイズが変わらずコンパクト。ドイツ製の無骨さも渋くて良し。
⑦風防:EPIgas ウインドシールド (L)
低山とはいえ都市部と較べて風の強い山では調理時に風防があると重宝します。以下に火力の強いバーナーを使用しても風が強いとまともにお湯も沸かせません。このEPIgasウィンドシールドは両端に付いているアンカーを地面に刺すことによってしっかり固定できます。金属製で多少重さがありますが、このくらいの重さがあった方が風に飛ばされなくて良いでしょう。
<選び方のポイント>
やはり重さが気になる、という人は、軽くてもいいと思います。ザックなど身の回りのものを使ってうまく調整して使うのもいいかもしれません。くれぐれも溶けないようにご注意を。
⑧ランチョンマット
これはあってもなくても良いんですが、ちょっと見栄えが悪くなってしまったシチューや、軽く焦げ付いてる炊き込みごはんもランチョンマットの上にのせれば、たちまちインスタ映え。野外につき、必ずしも綺麗な場所を見つけられるとは限らないので、食品を置くのにも、気分的にも、敷物があると美味しくいただけますよ。100均で買った物なんですが何かと便利に使っています。コスパ良し。
<選び方のポイント>
お好みで!しかし、汚れていい前提のものでないと、もったいなくて野外で使えなくなりますので、家でのお気に入りはおすすめ致しません。悪しからず。ちなみに、山道具はシンプルなものが多いので、多少カラフルな方が合いますよ。
⑨ナイフ:OPINEL No.8 カーボンスチール
フランス製ナイフ、オピネル。シンプルな作りでメンテナンスもしやすいので長年アウトドアナイフの定番として愛されています。ブレードの種類は開発当初から使用されてきたカーボンスチール、錆に強いステンレススチールの2種類があります。こちらはカーボンスチールの物で、赤錆が付きやすい金属なので、購入後DIYで黒錆加工を施しています。また、柄の木の部分は水分を吸い今度膨張する性質があるので、濡れると刃の出し入れがしにくくなってしまいます。そんなときはしっかりと乾燥させたあとクルミオイルに丸一日つけると膨張防止加工ができます。
<選び方のポイント>
シンプルなもの、多機能なものなど様々です。手へのフィット感や重さなども気になる方は、お店で色々手にしてみましょう。
⑩食器&調味料
箸やスプーンなどの食器と調味料はお好みに合わせて準備します。私はシチューやごはん物を作ることが多いので、スプーンと箸があれば充分なのですが、念のために折りたたみのフォークも持っていったります。調味料は写真の物だけでなく、旅先で見つけたユニークなハーブやスパイス、塩コショウを小分けにした物をまとめた通称「味変セット」を持ち歩いています。例えばクミンやバジル、唐辛子は見過ごせません。苦労して作った山ごはんの味が思ったよりパンチが無い時、ちゃちゃっとかけるだけでおしゃれ風味になりますよ!これについては別途記事にしたいところ。皆さんも色々試してみてください!
<選び方のポイント>
重さも機能も大差ないので、最初はコンビニスプーンや割り箸、家で使っているものなどでもいいと思います。調味料は、ピルケースや数センチ角のチャック付きポリ袋(ジップロック系)に小分けにすると多種類持ち運べます。旅先で出会う食品もあるので、調理予定メニューで使わないものも持っていると、ここぞというとき楽しめます。
山ごはん妄想もまた楽し
2回に渡り日帰り低山用山道具をご紹介しました。特に今回の調理道具に関してはレシピによって毎回変わる物なのでシチュエーションに合わせて携行する物を取捨選択しましょう。「買ったばかりの調理道具を使ってみたいから今度の山ごはんはあれにしよう!」と、逆から考えてみるのも楽しいですよね。ちなみに私は、ちょっと深めのコッヘルを買ったので今度は山でチーズフォンデュでも作ってみようかと妄想中です。この特集が皆さんの山ごはん妄想の手助けとなれば幸いです。さて、次の休みはどの山に行きましょうか?!
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