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【特集】日帰りザック大公開!山道具はこれを持て!【基本装備編】

YamaDiner編集部

YamaDiner編集部

日帰りで低山に行くときのザックの中身をご紹介!

・山道具、それは限りなく無駄がそぎ落とされたミニマルデザインを体現するプロダクト

日常の生活圏から離れて、味わったことのない新鮮な体験をしましょう!・・・雑誌のキャッチコピーにありそうな言葉ですが、山歩きを始めたときは皆、そんな安易な言葉に釣られ期待に胸を膨らませると思います。美しい自然に囲まれて、最高の環境でのんびりする・・・そんな妄想に浸ってしまいがちですが、新しいことを始めるには必ず準備が必要です。事前調査もそうですし、体調管理も日程調整も・・・考え始めるとちょっと面倒に感じてしまう山準備ですが、その中にも燦然と輝く楽しみが存在します・・!それが・・・至高のひととき、山道具準備!!

日帰りで低山に行くときのザックの中身をご紹介!

・日帰り装備は大きく分けて2カテゴリ!

今回は山道具準備の入門編として、「日帰り低山山行」にこれくらいあれば楽勝!という山道具をご紹介します。念のために言っておきますと、雪山装備は全く違うので今回は想定していません。あくまでも初心者が近場の低山に行くときの日帰り装備です。ザックの中に入っている山道具の種類は大きく分けて2カテゴリ。

基本装備

調理器具

の2種類です。基本装備は山に行くときに必ず持っていく物。調理器具は内容物をほとんど変更する事はありませんがレシピや環境によっては取捨選択が必要な山道具です。今回は前者の基本装備についてご紹介します。

日帰りで低山に行くときのザックの中身をご紹介!番号

基本装備、私は上記の14個の山道具を持ち歩いています。これはいつも絶対持ち歩く必要最低限の品々で、自宅ではザックに入れたまま保管。収納も兼ねて持ち出しらくらく準備要らず。山に行きたい!ってときに、これがあればとりあえずOK。ご飯はコンビニで調達したり山の茶屋で済ませるなどして、調理道具を持たない日もありますし、服装もランニング程度の格好で足りてしまう易しい山もあります。そのためこれを基本として、山や行程に合わせてあと何がどれくらい必要か、足し算して準備しています。
ウェットティッシュや折りたたみ傘以外はあまりなじみのないものが多いと思いますので、参考にしてもらえれば嬉しいです。

ザック:phenix Torres 30

①ザック:phenix Torres 30

まず最初にご紹介するのが、ザックです。ザックとトレッキングシューズ、レインウェアは三種の神器とも言えるくらいの基本装備ですね。一般的に日帰りのトレッキングには容量20〜30リットル、テント泊などの場合50〜70リットルのザックが適していると言われています。このザックは日帰り用でちょっと大きめの30リットル。山歩きを始めるずいぶん前から目にする機会が多かった物で、カラフルなストラップがいいなと思っていました。しかし普通の生活をしていたら30リットルのバックパックを使うシチュエーションなんてそうそうありません。あれこれ使う用途を考えてみたのですが特に良い案も浮かばず、買うのを保留にしたまま数年が過ぎておりました。山に行くことが決まって、一番最初に浮かんだ山道具がこのザック。今となっては古株のロングセラー。色んなポケットや調整パーツを使いこなしている今では行動を支えるベース基地となり、数々の山行を共にしてきました。それなりの使い込み感はありますが、一番最初に購入した山道具として、思い入れのあるザックとなりました。

特徴的なのが、大きく開く背面のU時ファスナー。このサイズのザックでここが丸ごと開くのは珍しく、ザックの内部へのアクセスを容易にしてくれてとても使いやすいです。雨蓋にも地図やウェットティッシュ、マルチツールなどたくさんの山道具が入ります。レインカバーも付属していて便利。他レビューに汚れが目立つベージュという色が難点と見た事がありますが、私はどんどん汚れてしまえ派なので全く気になりません。ショルダーストラップにドリンクホルダーとスマホケースをつけて使用しています。便利!

<選び方のポイント>
ザックを買う時は店頭へ足を運ばれることをお勧めします。山のザックは腰でしっかり重さを固定できるものが安定、安全の基本。自分の背中のSカーブにフィットする調整がどこまでできるか、といったことも重要なポイントです。長さ以外に、フィット感を細かく調整できるようになっていて最初は難しいのですが、登山中は随時調整するといいので、色々背負ってみて合うものを選びましょう。自分の重心にうまく合わせることで重さの体感も変わりますし、内容量の変化、山の傾斜や体調に合わせて調整すると肩や腰、膝などの負担もぐんと減ります。体感として画期的に楽になるか、大きなストレスになるかは、ザックにかなり委ねられますので、店員さんに聞きながら色々試してみてください。女性用は種類が減りますが設計が異なりフィット感が全然違うそうなので、女性の方にはおすすめです。自分の体型に合ったものを選び出しましょう。

救急キット

②救急キット

持っているだけでちょっとだけ安心する救急キット。これはネット通販で買った物ですが、絆創膏、包帯、消毒シート、コットン、テープなど軽傷であればほぼ対応可能な道具が揃っています。この救急キットにポイズンリムーバーを追加しています。写真の真ん中にある、白い注射器状の物がポイズンリムーバーです。これは毒を持った虫などに刺されたときに患部に当てて毒を吸い出す道具です。山ではまだそんな凶悪な虫に刺されたことは無いんですが、海で何度かクラゲに刺されて跡が残ったことがあるので念のために携帯しています。単純な道具ですが持ってるだけで一安心です。また、この写真にはないですが、おなかの調子が悪くなった時のために整腸剤があると便利です。私はストッパを常備していますが、一度調子を崩した時に服用したら山あるき中は問題なく過ごせました。低山は比較的トイレが整備されているところが多いと思いますが、必ずしもあるというわけではないので下調べと共にもしもの時のための準備は必要です。

折りたたみ傘

折りたたみ傘

山に傘持っていくの?と思う方もいるかもしれません。でも山の天気は変わりやすいと言うように本当に一瞬で大雨になったり、快晴になったりします。危ないのでNG!雨対策は服装派、という硬派ハイカーももちろんいますが、雨具セットアップを揃えるのは出費が大きいし、荷物もだいぶ増えてしまいます。軽登山では両手が塞がる鎖場や休憩しにくい岩場が比較的少ないので、傘があればちょいと休憩がてら雨宿りって事ができます。山〜駅などの移動や散歩を兼ねている時などもやはり傘は便利。しかもこのEVERNEWの折りたたみ傘、なんと重さ93g、ウルトラライト!ザックに一本忍ばせておいて損はなし。ですね。

オーガニック虫除け

オーガニック虫除け

特に夏場は必需品!虫除けです。別にオーガニックじゃ無くてもいいんですが、普通の虫除けが食材にかかってしまったら嫌なので、なんとなく手に入りやすいものを使っています。ただ、この商品は一切虫除けとは書いていない・・・(笑。虫が嫌うミントやユーカリなどのエッセンシャルオイルから出来ており、いい香りでリフレッシュにもなります。使っている時は刺されていないのでそれなりに効果はありそうです。全部使うことはないので、別ボトルに移して軽量化しておくのがおすすめ。

自撮り棒(三脚付)

自撮り棒(三脚付)

せっかくの山歩きは、普段見られない風景を写真に収めるのも楽しみのひとつ。ソロで山歩きに行った時、帰ってみたら風景写真しか残してなかった・・・なんてことにならないように、自撮り棒も持っていきます。iphoneの広角では70〜80cmくらいの物だとどうしても同じアングルで景色が入らないので、100cm以上伸ばせる物、さらに三脚つきで自立するとなお良しです。このWERPOWER自撮り棒はリモコンもついていてなかなか使えます。ただ一つ難点を言えば、(どの商品も同じだと思うんですが)ザックから取り出すのが面倒でどうしても使うタイミングが偏ってしまいます。ザックのストラップなんかに固定できればもっと使うようになるのかもしれませんね。自分や人が写り込むことで、規模感もわかるし、リアリティも楽しさもUPして思い出が継続するように思います。

地図&コンパス

地図&コンパス

これこそ必需品。地図&コンパス。日常で地図を見る機会はもっぱらGoogleMapで乗り換え検索くらいしか無いかもしれませんが、いくら携帯の人口カバー率が99%になっても山の中は電波が入らないところがまだまだたくさんあります。紙の登山地図は軽いし、登山道の詳細が載っているしバッテリーなんかも関係ないので携行必須です。地図を読む技術、読図ができれば道に迷う確率も低くなるので、是非覚えましょう。登山雑誌の読図特集は毎年のようにありますし、登山用品店の勉強会で勉強するのもよさそうですね。

という私もiPhoneの登山地図アプリとProtrek SMARTは手放せないんですが・・・そのご紹介はまたの機会に。

トイレットペーパー

トイレットペーパー

何かと便利。トイレットペーパー。ある時はトイレにトイレットペーパーが無い時に、またある時は山ごはんを食べ終わったあとの食器を拭く時に、生ゴミをまとめてジップロックの中にポイッとする時も便利です。紙自体の強度が低いのが難点ですが、そこはそれトイレットペーパーですから。最近はトイレットペーパーケースなんて物も売っており、このケースに芯を抜いたトイレットペーパーを入れて使うと散らかさずにうまく使えます。トイレから持ってきました感がなくなってちょっとコジャレるのも良いですね。潰してザックに突っ込めるのも良し。

ウェットティッシュ

ウェットティッシュ

何事もドライなだけではだめです。時にはウェットにいかねばね。食事をする前に手を拭く時、食器を拭く時、顔についたほこりを拭う時、、、などなど、ウェットティッシュは何かと便利です。コンビニでも手に入るので登山口近くなってからザックの中をチェックして付近のコンビニで買うことが多いですね。ちょこちょこ使うので、殺菌してくれるアルコール除菌タイプ、優しいノンアルコールタイプ、2種持ち歩いて使い分けるのがおすすめです。

snowpeakたねほおずき

スノーピークたねほおずき

スノーピークたねほおずき。小さい照明ですね。シリコンループの先端部分がマグネットになっているので色んなところに引っかけられます。その辺にある木の枝でも、傘の内側の骨でも。雨宿りしている時に周りが暗かったら使おうと持ち歩いているんですが今のところ日帰りでは使ったことがないです。だが備えあれば憂い無しって事で、安心材料の一つですね。

キーホルダー式ペンライト

キーホルダー式ペンライト

こちらは予備の照明。キーホルダー式で小さくて軽いのでザックに忍ばせています。たねほおずきはぶら下げるよう、こちらは手に持って細部を見るようですね。日帰り山行は暗闇で調理するわけでもないのであまり必要ないのですがこれも念のためにザックに入れてあります。

ジェントスヘッドライト オーヴァ

ジェントスヘッドライト オーヴァ

前述の2つの照明とは違い、こちらは必需品。ヘッドライトです。2011年の震災の直後に需要が高まり、アウトドア専門店からヘッドライトが無くなったことがありました。ご多分に洩れず私も購入したのですが、その時購入したのがジェントスヘッドライト ヘッドウォーズ(商品名がすごい)。キャンプで何回か使用したのですが明るすぎて友人から迷惑がられてしまいました。車の迷惑ヘッドライトみたいな状態だったのでしょう。その反省から明るさ半分以下の100ルーメンのジェントスヘッドライト オーヴァを購入、現在も活躍中です。15時過ぎたら、山は暗くなります。日の向きによって、天気によって、季節によって、16時半には真っ暗になることも。軽登山だしとのんびり行き過ぎたり、日帰りだからと予定を詰め込み過ぎてしまったり、意外と押したが最後、薄暗くなると早いもので、暗くなった山は楽しみなんて一切なく恐怖&危険のみ。特に足元に注意が必要な下山では幾度となく助けられました。

レザーマン シグナル

レザーマン シグナル

昔なら十徳ナイフって言ってましたね。今はマルチツールって言うらしいです。これ一つでナイフ、ラジオペンチ、のこぎり、ファイヤースターターなどの計19の機能があります。全ての機能を使い切るのは難しいと思いますが、これも持ってて安心タイプの道具ですね。このマルチツールで特筆すべき機能はハンマー機能。他のツールでは見たことがありません。テント泊の時にしっかりとペグダウンしたいけど、ハンマーを持っていくとどうしても嵩張るし重くなる、丁度いい石があるとも限らない・・・という時に見つけたのがこの商品でした。ちょっと値が張りますがかゆいところに手が届く山あるきにぴったりの商品です。

スコッチ入りスキットル

スコッチ入りスキットル

昔テレビ番組で、セントバーナードが山岳救助犬として働いているのを見たことはないですか?(編集部内の若者には知らないと言われました…歳?)ずいぶん昔の話なのでうろ覚えですが、犬が雪山で遭難した人を助ける感動的なストーリーがあったと思います。あの体格に勇敢で優しいとかイケメンすぎますね。そして。あの救助犬が首から下げている樽にはスコッチが入っているのです。雪山で遭難した人の気付けのため、また少しでも温かくするために強めの酒を飲ませるのが目的らしいのですが、それに倣って?スキットルを持ち歩いています。ただ残念ながら山ではまだ飲んだことがありません。山で飲み過ぎも危険ですが、かっこいいですよね。麓に戻ってきた時とか、山歩き終了間際の肌寒い時にちょっと飲んでみるのもアリかもしれません。基本装備とはうたっていますが、あくまで個人的ロマンのために持ち歩いているので、皆さんには強要しません。

レインウェア:phenix Stelvio 3L Jacket & Pants

レインウェア:phenix Stelvio 3L Jacket & Pants

最後はレインウェア!トレッキングシューズと並んで山道具としては重要ですね。上下セットの物とジャケットだけの物、軽くて薄い低山用や高機能で高価な物など色々な種類があります。山用のパンツはだいたい撥水加工がされているので、日帰り低山なら軽くて薄いジャケットだけでも問題ないかと思います。この上下セットのレインウェアはテント泊で縦走することも考えて購入した物です。高機能でタフ!連日縦走中、晴天だったのに突如土砂降りになった時があり、山小屋でみんな足止め。そんな時にこれをもっていた人々は完全に勝者でした。驚くべき防水性能で、ファスナーなどからも水が入らないように工夫されています。また、フードをかぶると、おでこの上の辺りに針金のようなものが入っていて、キャップみたいにひさしができるんです!これがめちゃくちゃ便利で、ただのフードだと顔に張り付いて水でべちゃべちゃになってしまうところ、なんのストレスもなく移動できます。多少の風もなんのその。内部は1滴も滴ることなく、最強な気分を味わえるので、たまに使いたいアイテムです。でも雨天は嫌というこのジレンマ。なんとも言えません。

<選び方のポイント>
これもザック同様、お店で聞いて試着しましょう。各社、様々な自社基準を持って防水性、透湿性などの性能をうたっています。一般的にGORE-TEX®(ゴアテックス(R))という素材を採用しているものがいいとは言われますが、かなり高価。そこにこだわらなくても、一定水準で良いものは沢山あります。一つ言えるのは、値段と性能は比例しているってこと。とはいっても実際いくらなの?という話ですが、ひとまず自分が着てみたい山服ブランドから、上は2万円台〜、下は1万円台、くらいで選ぶとまず間違いないです。アウターとして着られる厚めのものなどは、旅行着や普段着としても活用できるので、半端に安いものを選ばずちょっと奮発してみてください。春秋はそのまま、夏は高所用、冬は中に薄めのダウンを着て、、、と年中使えるので元は取れます。脇下が開いて熱を逃がせるもの、素材自体が風も水も通さないのに蒸れないもの、、などなど、快適そのもの。薄手タイプは軽く、保温性はないですが、持ち運びに向いていて、いざという時に服の上から羽織るだけで、かなり助かります。夏でも一雨降るとぐっと冷え込むので、山に羽織は必要。それだったら、防水を兼ねていいものを買っておくのもひとつの手です。薄手も厚手も、一度使ってみるとその利便性にびっくりすると思いますが、まずはどちらか、ご都合に照らし合わせて入手しておきましょう。

・底が深すぎる山道具沼

長くなりましたが山道具基本装備編でした。…え?いらないものあるって??まあそこはご愛嬌。基本装備とはいえ選ぶ人によって千差万別だと思います。山道具=最大限軽くして少なくしないと!というイメージがあり、多くの山指南書にはそう書かれているでしょう。確かに無駄に増やすと疲弊するので良くないですが、安全管理グッズはクリアした上で、自分なりの楽しみ道具を持つと一層面白いのが山登り。ヤマダイナーでは、ミニマムのみでなく、+αの遊び心を持って安全に楽しめたらな、と思っています。ベテランになれば選ぶ道具も違ってくるでしょうし自分の道具をアップデートしたり、使いやすくカスタマイズするのも楽しいですね。皆さんも、おすすめ道具があったらぜひ教えてください。次回はカスタマイズしやすい調理器具編となります。お楽しみに!


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